ヘンリーヘンリーズのギター担当。


by hayashihiromu

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いつかのアラーム

自分は、何か特別な日、心待ちにしていた日、等の朝に、決まってある曲が流れるようにアラーム設定しています。当日の朝、目が覚めてまだベッドで少しうだうだしているであろう時間にその曲が流れるように、その日の前々から設定しています。

高校1年生から始めた取り組みですが、高校三年間でこの曲がアラームとして響いたのは片手の指で数える程度でした。いつもとちょっと違うライブの日だとか、友達と旅行の日だとか、尊敬している人にお会いする日だとか、受験の日だとか。そんな特別な日に、より特別性を高めるため、そして自分のテンションを上げて、より良い一日、充実した、より楽しい一日になりますように、そんな願いを叶えるために始めた取り組みです。しかし、いざ始めて見ると、なかなかそのような特別な日というのは希少性の高いものでありまして、中々その曲とお目にかかれないような日がずっと続いていました。なぜか逆に意地になり、よっぽどの日じゃないとこの曲がアラームとしてかかる日は作らないぞ、と、若干本末転倒気味というか、目的がなんなのか分からなくなってしまい、いよいよ部屋へ流れてくることはほとんどありませんでした。
結果、高校三年間でこの曲がアラームとして響いたのは、片手の指で数える程度だったのです。

けれど、高校を卒業してから、とたんにこの曲がアラームとして流れる回数が多くなりました。たった二ヶ月足らずで、両手で数えられるほど、部屋へ流れてくるようになりました。こんなにたくさん流しては、その希少性が失われてしまう、との怖さを覚えたことも一瞬あります。
特別性が特別性たる由縁は、その特別性、希少性に起因するものであり、それが失われるということは、最早なんの意味も持たない、そこらへんに転がっている無機質な慣習へと変わってしまうということを意味しています。三年間積み重ねてきた希少性を壊すことができるのか、と一瞬思ったこともあったのです。
でも、やっぱりアラームを設定していました。
それほどまでに、一日一日が特別だったのです。
そんなのなんかどうでもいいと思えるほど、一日一日が特別だったのです。

今日の朝、削除していなければならなかったアラームが、その存在の違法性を知ってか知らずか、わざとなのかあえてなのか、遠慮なく部屋へ流れてきました。
消しておくのを忘れていた、鳴ってはならないアラーム。すぐに止めればよかったということは分かっています。けれど、そんな元気もなく、そして、少しだけ、最後に聴いていたいんだ、ごめんね、と、誰に対して気を使い、誰に対して謝って、そして誰に対して嘘を付いているのか、そんなわけのわからない気持ちがどろどろと重くのしかかり、体を布団の中に縛り付けていたので、ただただその状況を眺めていたのでした。部屋の中へ流れてくる音は、止める者がいないため、その勢いは容赦ありません。やがて部屋に充ち満ちて、行き場のなくなった音は、いよいよ自分の心の中にまでなだれ込んできました。小さな小さな自分の心です。すぐに自分の心は瀲灩たる有様、そしてそこから零れ落ちた水滴が、様々な回路をとてつもないスピードで、いや、やはりゆっくりじっくりと経由して、最終的には枕にまで流れ着きました。

そうやって始まった一日は、最早一日の体を表さず、だれに何も言われることなく、言われる必要もなく、ひっそりと沈んでいきました。
次またこのアラームを笑顔で聴けるのはいつであろうか。
笑顔、というより、あの時の気持ち。数時間後を想像し、嬉しい気持ち、楽しみな気持ち、どきどき、わくわくで胸が一杯になり、少しはにかみたいような、あったかい気持ちで、あったかい布団に体をこすりつけるあのときの気持ち。
あの気持ちになれる時は、いつなのだろうか。
というより、アラームをかけられる日はいつなのだろうか。
数週間後かもしれないし、数ヶ月後かもしれないし、数年後かもしれない。
永遠こないかもしれない。
意味の無いものに意味を持たせる作業ほどしんどいものはない。でもそれは人それぞれ。全てに言えることでもあるし、全てに言えないことでもある。
でも、まあ、もうそれでいいかなって。聴かなくていいかなって。
こういうところなんだろうな。女々しすぎです。

女々しいといえば、なんというか最近色々考えていたのですが、女々しいと男らしいは、やっぱり紙一重というか、同じなんじゃないですか。男らしくなろうと思えば思うほど、同時に女々しくもなっていくのだと思います。
女々しい人も、男らしい人も、ただただ、誠実なんだと思います。

自分自分自分。
全て自分で完結できる人間になりたいです。










おわり
by hayashihiromu | 2013-05-19 22:03 | 普通

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