ヘンリーヘンリーズのギター担当。


by hayashihiromu

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キルケゴールとニーチェ 『死に至る病』と永劫回帰 2


前回の『死に至る病』と「永劫回帰」についてのつらつらうだうだとした文章を、現代社会にもう少し結びつけてみます。

現代社会に蔓延る病理は、自己の無精神性であるとするのならば、絶望の循環が社会を覆っていることとなります。人は自らの不均衡状態、例えば、本当の自分と、想像的な、空想的なものの中に生きる自分、又、世俗の中で生きる自分、その関係が崩れている状態、その状態を「地上的なもの」で覆い隠し、一時の平穏を手に入れます。そして、その自らが大きな価値を置いている「地上的なもの」が自らの手から離れた瞬間に、その関係の齟齬が露呈されるものの、本来的な自己からは逃避し、「時間が解決してくれる」、「他の何かに没頭する」、「別のものに大きな価値を置き直す」、という具合にまたもや「地上的なもの」で齟齬を覆い隠します。この繰り返しが起こっているということです。

1つ考えることがあるとするのならば、果たして、この現代の社会の中で、自己の齟齬を覆い隠せるだけの「地上的なもの」が存在するのか、ということです。これは、2つの側面から見ることができます。

第一に、言葉通り、大多数の人の自己の齟齬を誤摩化せるだけの「地上的なもの」が存在していないのではないかという疑問です。数十年前までの日本には、たしかにその「地上的なもの」が存在していたと思います。戦後急速に無精神となってしまったものの、高度経済成長の中で、自然と価値を置くことが出来る、そして多くの人がそれを共有できるだけのリソースがありました。新しく生み出される物、価値観、豊かさ、そして何より、成長がもたらす未来への希望は、無精神であるが故に反省せずに放置される不均衡状態の自己を覆い隠すに足りるものであったのです。一度そのものが失われたとしても、すぐに代わりの物が見つかるのです。それほどまでに、「地上的なもの」で社会は溢れていました。

しかし、現在の社会ではどうでしょうか。それこそ、物や情報で溢れた社会である故に、より多くの「地上的なもの」を得られるかのように見えます。しかし実情は、物や情報で溢れた社会であるが故に、「地上的なもの」ですら喪失しているのです。まずそもそも、仕事が無い。自分のやりたい仕事、満足のできる仕事に付ける人は限られた人間です。それだけでなく、非正規雇用やブラック企業が増える中、お金や時間までもが失われて行きます。そこに加えて、デフレです。未来に希望を持つことができなくなっている事実は、内閣府が昨年行った若者に対する調査に明確にでています。古市憲寿氏著の『絶望の国の幸福な若者たち』が引っ繰り返ったのです。

このようなことを考えてみると、自らの絶望を覆い隠す「地上的なもの」すら無いのが現在の社会なのではないか、という疑問が生まれます。

第二に、そもそも「地上的なもの」に価値を置くことができなくなっているのではないか、という疑問です。無精神であると同時に、社会的規範(大澤真幸氏の言う第三者の審級)すら無くなった現在、何が正しいのかを判断できなくなっている訳です。だからこそ、そもそも物に価値を置けない。その価値を置く判断基準さえ無い。そのような現象が起こっているような気がします。


グローバル化と共にある歩む日本において、このような社会がこれからより加速していくことは目に見えている事実です。
だからこそより自らの実存を意識しなければならないのですが、そんなことはできたもんじゃない。だからこそ、色々と考えてみることが必要なんだとは思いますが、、、、
うーん。どうしよう。
ひとつの方法として、やっぱり前回書いたニーチェの永劫回帰は、中々面白い、有用なものではあると思いますねー。





おわり








by hayashihiromu | 2014-11-11 21:59 | 普通

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