ヘンリーヘンリーズのギター担当。


by hayashihiromu

プロフィールを見る
画像一覧

S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

バーバー・歯


親知らずを抜いたのは一ヶ月程前のことだったと思います。今ではすっかり歯の痛みも無くなりましたが、未だに下の歯茎に大きな穴が空いております。

そもそも親知らずに痛みを感じていた訳ではなかったのですが、以前書いたように、完全に親知らずの部分がヤンキーの溜まり場になっておりまして、親知らずの成長と共に、増々歯間ブラシという名の警察をパトロールさせる隙間がなくなり、どんどんどんどんヤンキーは増え、そして力を蓄えている感じがしたので、このままだとヤンキーが暴れに暴れて虫歯になってしまう可能性があるのではないか、と怖くて怖くて夜も眠れなくなっていたため、歯医者さんの門を叩いたのでありました。

近所の歯医者さんでレントゲンを取ってもらうと、どうやら神経近くまで親知らずが発達していたらしく、自分がやるのは怖いから大学病院でやってくれ、と言われ、その日にそのまま紹介状を握りしめて今度は歯科大学病院へ。受付を済ました後に通されたのは、まるで美容院のような診察室。どういうことかといいますと、広めの部屋に診察椅子がぶわーーーーっと並んでいまして、その各椅子毎に若いお兄ちゃんが笑顔で立ってあれやこれやし、色々なおっさんが部屋をうろちょろしていたのです。さらにこのおっさん達、全員が全員仕事をしている訳でもなく、特におっさんAは暇そうに色んな処置中の患者さんの所に行っては「おぉ〜」みたいな感じで見ておりましてもう一体なんなんだこの部屋は!!!!

自分の歯医者、いや、病院のイメージは、個室に患者さんが呼ばれて、そこで診察し、処置をするものであるとのものであったため、一応椅子と椅子の間に仕切りはあるものの、人の体を処置するに不似合いな、この美容院のようなプライバシーの欠片もない、流れ作業的な現場、若干家畜感の漂う病室に面食らってしまいました。いやまあしかし一つの病室に全てを集中させることは中々合理性のあるシステムであることは認めますが、悲しいかな、人間は合理性を追求して発展してきたのにも関わらず、合理性を追求した果てには、このような原始的とでもいいますか、荒い、前時代的な様相を帯びる状況を誕生させてしまっているのです。某北欧企業の家具チェーン店のご飯食べるところとかもね。生活に合理性を求めるほど、感覚は退行していくのかもしれません。

なんてことを考えている内に、研修生っぽい若いお兄ちゃんに病状の説明やらなんやらを終え、気付けば今この場で抜いちゃうことに。周りはすごいガヤガヤしていて両隣、前後には普通に他の患者さんがおり、おっさんや患者さんがうろちょろしているこの状況で歯を抜いていくことに。デリカシーの無さに閉口していても仕方なく、口を大きく開けて待っていると、さっきまで暇そうに部屋をうろちょろしていたおっさんAが、「あ、抜いちゃう?じゃあ俺抜くよ」とあっさり自分の横にきて器具を取り出し準備を始めました。

いやいやいやちょっと待ってくれおっさんあんたずっとこの部屋の中を暇そうにうろちょろしていただけじゃないか。大丈夫なの?おっさん大丈夫なの?信じていいの?信じていいの?と若干パニクっていた所、これから口の中をギュイーンとやられる単純な恐怖、アウトレイジのあのシーンの想起、それらも相俟って、勝手に手がぷるぷる震えていたらしく、「ははは、緊張しないでよもう〜」とおっさんAが励ましてくれたのですが、間髪入れずに「あ、明日からめっちゃ腫れるから。想像の10倍は腫れるから(爆笑)」となぜか笑いながら自分のことを脅してきてもうやっぱりこのおっさんやばいやばい無理無理と思ったのですが、「チェンジで」とはさすがに言えるはずもなく、神に祈りながら麻酔の注射を受けました。

「じゃあいきまーす」
との気の抜けたかけ声と同時にギュイーンが始まった訳ですが、あ、あれ、本当に痛くない。何も感じない。あ、これはいいですね〜と麻酔の凄さを改めて実感し感動し安堵していると、なんだかそれが安心感へと変わり、若干テンションまで上がってきてしまっていました。

麻酔の凄さ以外に特にこれといった感想もなく淡々と口を大きく空けながらぼけーっとしていると、

「ちょっとこれ回転数足りなくない?なんかしょぼくない?」
「あ、でしたらそちらの方を使ってみては…」
「あ、これ?これなの?これかよも〜。じゃあこっち使うよ。ん?あれ?これも回転数なんか違うわ。ちょっといい感じの回転数じゃないわ。もうちょい回転数高めのやつ無いの?」
「えっと、それなら、あそこにあるのが一番強いやつですけど」
「あ、これ?こっちなの?じゃあこっち使うわ」

とのような会話が頭上を飛び交った次の瞬間、


ギュォワーーーーーーーーーン



ははは。え。え?これいれるの?これ口の中に入れるの?無理じゃない?音おかしくない?今まで聞いたことないよ?あれ?あれ?

「いいわ。この回転数いいわ。これでいくわ」

いやいや、聞いたこと無いって。そんな金属高速回転の音。やばいって。絶対ダメだって!とは思ったものの、口に出すことができない臆病者の自分は、迫って来る未知の回転数に怯えていると、あれ、あれれれ、やっぱ麻酔すごいわ〜何にも感じないわ〜とこと無きを得たのでありますが、

「やっぱ違うわ。回転数いい感じじゃないわ。もうこれより強いの無いんだよね?じゃあこれでいいよもう」

とおっさんAは若干ふて腐れてしまい、その後の処置が続いたのであります。



その後は至って順調。何回か歯が摩擦で焦げてる感じのにおいがやばすぎて吐きそうになったくらいで、痛みはまったくありませんでした。ただ、最後に「ちょっと圧がかかるよ〜。ごめんね〜」といいながらペンチ的なのを口に突っ込んだと思ったら、顔面を椅子の背もたれにめり込ませることが目的なんじゃないの?と思う程力任せに顔面を抑えられ、歯を抜きました。これだけ科学技術が発展しても、最後はやはり原始的な感じなんですね。


処置が終わったあと、「じゃあ縫うのは任せるわ〜」と研修生に言い残し、おっさんAはどこかへ行ってしまいました。研修生の処置に不安を覚えながらも、難なく縫い合わせてもらい、おわったぁ〜と体を起こしたらさっきのおっさんAはまた暇そうに部屋中をふらついておりました。何者なんだこのおっさん。なんか職人っぽくてかっこいいぞおっさん。ありがとうおっさん。さようならおっさん。



まだ逆側の親知らずも横向きに生えているらしく、またこの病院には御世話になるだろうと思います。
ちなみに、「アホみたいに腫れるから(爆笑)」とおっさんAは言っていたのですが、その後痛むことはあれど腫れることは一切なく、やっぱりあのおっさんAは凄い腕の持ち主なのだな〜と思いました。あらためて、ありがとう〜と思いました。ちゃんちゃん。







おわり




by hayashihiromu | 2015-03-25 20:40 | 普通

メモ帳

ダウンタウンさん、高須光聖さん、板尾創路さんを心から尊敬しております。

タグ

(86)
(17)
(17)
(10)
(8)

最新の記事

バーバー・歯
at 2015-03-25 20:40
すいぞくかんっ
at 2015-03-22 22:06
『鬼が来た!』
at 2015-02-14 21:02
ライブDVDはしっくりくるけ..
at 2015-02-06 02:20
Feu de camp
at 2015-01-30 01:13

以前の記事

2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 08月
2012年 06月
2012年 03月
2012年 01月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月

記事ランキング

外部リンク

検索

その他のジャンル

画像一覧